画家-ED⑧『伝染する画家の概念』
画家は1人で旅に出る決意をした。
4人と別れの挨拶を告げて身支度を済ませて
数年暮らしたセントラルシティを後にした。
北米大陸を旅する画家は、孤独を紛らわせる為に四六時中いたるところに絵を描いた。絵を描くたびに
『セントラルシティには美味しい料理を作ってくれる人がいるんだ』画家
『吟遊詩人エウダモスとかいう野郎の詩は最高だからぜひ聞けよ』画家
と、出会った人達への感謝も忘れなかった。
あの4人の中に”黒幕がいる”のは事実だけど、今となってはどうでもいい。
画家が描く絵画は人々にインスピレーションを与えていつしか模倣する人間が現れた。
絵画の模倣は伝染病の様に広がっていき、北米大陸の地面や壁は絵画だらけになった。
そして、絵画自体が人々の文化となっていくが、その発端となった画家の存在は人々に認識されなくなっていった。
世界にただ一人絵を描ける存在であったリッキーは特別ではなくなっていき、
誰にも知られる事なく、1人でこの世を去った。
リッキーの亡骸は長らく野ざらしにされていたが、数百年後に1人の女性に発見されて供養された。
「ごめんなさい。私があの時にあんな事をしていなかったら…。」
リッキーの墓の前で女性は泣き続けた。何日も、何年も。
吟遊詩人エンド:①君の想いと共に / ②すまない、そしてありがとう / ③君はどこへ行った? / ④孤独の詩人 /
サブ①帰る故郷がある / サブ②故郷に帰れぬ男 / サブ③数十年ぶりの故郷 / サブ④故郷を捜し求めて
少女エンド :①第二の悲劇 / ②情けない父 / ③義父 / ④もういない父を捜す旅の続き /
???エンド :①この嘘はあの世まで / ②本当の再会 / ③これでよかったのだろうか / ④災難の終わり /
料理人エンド :①2900年ぶりの祖国 / ②どうせなら賑やかに / ③悪魔の料理人 / ④罪の償い / ⑤譲ってもらえた願い /
⑥救いの死 / ⑦この世の地獄からあの世の地獄 / ⑧人類の最期を看取る女神 / ⑨料理人レティシアの人生 /
⑩語られぬ死 / ⑪近づく死 / ⑫夜伽 / ⑬葬送式 / ⑭余生 / ⑮来客の少ない店のその後 /
⑯チョコレート専門店開業! / ⑰いつもの日常 / ⑱ただ人を待つ
画家エンド :①詩吟と絵画 / ②画家の人生の始まり / ③家族だった料理人 / ④2人の画家 /
⑤幸せ涙 / ⑥本性を露わにした料理人 / ⑦永遠を生きる2人 / ⑧伝染する画家の概念/⑨幸せな老後
投票放棄エンド:①誰も知らない流浪人たちのその後 / ②いつかまた会える時まで / ③復讐なんて似合わない /