料理人-ED⑫『夜伽』
街を去る衰弱した料理人。体を支える画家も付き添いで共にセントラルシティから姿を消した。
セントラルシティから去った2人は特に目的地もないままただ、ただ、ただ歩いた。
そろそろ寝付く時間になってきた。今日はここらで休もう。
「レティシア、ここで今日は休もうか。」リッキーがレティシアの身体をゆっくり草の上に下ろし
「うん」とつぶやいた。
「火起こすから休んでていいよ」とリッキーが暖を取ってくれて周囲の身の安全を確保する。
そして、リッキーが1人で色々作業している間にレティシアの中で何かがこと切れた。
「もう、今日が峠かなぁ。」ぼそっとつぶやいたがリッキーは気にせず作業をしていた。
「峠?何のことだ。」リッキーはそういうと作業を済ませて、目を瞑ったレティシアの隣に座りこんだ。
「見てよ、今日はすごい夜空が綺麗だ。夏の大三角形とオーロラが重なりあってとても綺麗な満天の空だ。」
リッキーが目を輝かせてレティシアにそう話しかける。だけどレティシアは
「リッキーは随分と星座を覚えたね。」と、なんだか想定していた答えと違う返しが来た。
むっとしたリッキーは応答する。
「レティシアが教えてくれたんじゃないか。俺があの街に来て何度も夜空を見て教えてもらったよ。
他に星座の事知っている人なんていなかったのに、星座についても物知りだったのが後々びっくりしたよ。」
リッキーは過去のことを話してもレティシアは「そうだったね。」と簡単に返す。
「…もう寝よっか」眠そうにしているレティシアに対してリッキーがそういうと
「…君と出会えた事は本当に幸せだよ。ありがとう。」急にお礼をしてきたのでリッキーはきょとんとする。
「お、おう…?俺もレティシアに会えて何事も世話になって…本当に感謝しているよ。」画家も口下手に返した。
そうして、荒野の丘の上で2人は寝た。リッキーは過去の想い出の夢を見て眠り、レティシアは永遠の眠りについた。
吟遊詩人エンド:①君の想いと共に / ②すまない、そしてありがとう / ③君はどこへ行った? / ④孤独の詩人 /
サブ①帰る故郷がある / サブ②故郷に帰れぬ男 / サブ③数十年ぶりの故郷 / サブ④故郷を捜し求めて
少女エンド :①第二の悲劇 / ②情けない父 / ③義父 / ④もういない父を捜す旅の続き /
???エンド :①この嘘はあの世まで / ②本当の再会 / ③これでよかったのだろうか / ④災難の終わり /
料理人エンド :①2900年ぶりの祖国 / ②どうせなら賑やかに / ③悪魔の料理人 / ④罪の償い / ⑤譲ってもらえた願い /
⑥救いの死 / ⑦この世の地獄からあの世の地獄 / ⑧人類の最期を看取る女神 / ⑨料理人レティシアの人生 /
⑩語られぬ死 / ⑪近づく死 / ⑫夜伽 / ⑬葬送式 / ⑭余生 / ⑮来客の少ない店のその後 /
⑯チョコレート専門店開業! / ⑰いつもの日常 / ⑱ただ人を待つ
画家エンド :①詩吟と絵画 / ②画家の人生の始まり / ③家族だった料理人 / ④2人の画家 /
⑤幸せ涙 / ⑥本性を露わにした料理人 / ⑦永遠を生きる2人 / ⑧伝染する画家の概念/⑨幸せな老後
投票放棄エンド:①誰も知らない流浪人たちのその後 / ②いつかまた会える時まで / ③復讐なんて似合わない /