黒幕は特定されなかった。しかし、5人の中にいるのはわかりきっている。

音楽家の無念を晴らそうという気持ちは皆持っているが…

吟遊詩人は、率先して歌を弾く事にした。

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「もうやめよう、復讐なんて考えないでくれ。」

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その一言に、皆が反応する。

誰よりも吟遊詩人が悲しいハズなのに、彼は悲しい表情を露わにしなかった。

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「みんな退廃世界の仲間だろ？音楽家が死んでしまったのは悲しいけど、

　彼の分まで人生を楽しまなければ彼が泣くぞ。」

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吟遊詩人はそう言いながらハープ片手に詩を歌う。とても陽気な詩だった。

吟遊詩人はこの場を和ませるのに必死だった。

他4人も吟遊詩人に呼応するように、緊張をほぐした。

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5人は音楽家が死んだことを忘れることはない。

そしてそれ以上に退廃世界を力強く生きようという気持ちを再び持った。

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吟遊詩人の1人ライブは終わり、やがて別れの挨拶を済ませて全員がセントラルシティを後にした。

​少しでも世界が平和であってほしいという願いを胸にして。